HOME > 教授挨拶
  • 募集・お問い合わせ
  • 研究年報・実績
  • 研究内容紹介
教授挨拶
前川平
血液学の研究を通じて、先端医療開発に一緒に参加しませんか
京都大学輸血細胞治療部は院内における安全で、効率的な輸血療法の確立をめざし日夜努力を続けています。院内のインテリジェントな輸血管理システムの構築と輸血療法の指導は輸血細胞治療部に課せられた基本的 使命であります。加えて、21世紀における大学輸血細胞治療部は、輸血の安全性、輸血療法の効率化の指導のみにとどまらず、これを発展させてゆくと同時に、あたらしい輸血医療・輸血医学のあり方を希求してゆく必要が あります。

すなわち、
1.リスクマネージメントの観点から医療過誤を未然に防ぐ輸血管理システムの構築
2.輸血医学教育の充実
3.輸血副作用の解明など輸血医学検査への貢献
さらに、
4.細胞移植治療、再生治療、および分子標的治療などの先端医療開発を支援するとともに自ら実施し、臨床応用をめざした基礎研究を行う責務があると考えております。とくに、基礎研究の成果を臨床応用させる探索的臨床試験研究(トランスレーショナル・リサーチ)に必要な細胞プロセシングを通じて、各臨床科および基礎研究科の コアとして大学輸血細胞治療部は羽ばたいてゆかねばならないと考えております。 なかでも、21世紀はゲノム医療とそれに続く、細胞治療、分子標的治療、それに再生医療が新しい医療の中心になる であろうと言われています。 これらの先端医療の開発には、臨床応用できるレベルの品質の保証された細胞をもちいることが必要で、輸血細胞治 療部がもっとも得意とする分野であります。同時に、輸血細胞治療部医師には豊富な臨床経験が当然要求されます。 また輸血細胞治療部技官にも患者さんの臨床病態に対する知識が要求されます。 臨床から離れた輸血医療など存在しません。輸血細胞治療部医師は大学卒業後臨床研修を修了し、数年間以上にわたる充分な臨床経験を持つことが必須であります。
また、輸血細胞治療部技官は積極的に臨床現場に出て行き、臨床医、看護師などと良好なコミュニケーションを持つ必要がありますし、 臨床に役立つあたらしい輸血検査法を開発して行く責務があります。 将来的に大学輸血部門は輸血細胞治療部として変貌をとげ、診療科としてのスタンスをとりながら発展して行くと考えております。いろいろな臨床科において経験を積み、細胞移植治療、再生治療、 遺伝子治療、分子標的治療などの先端医療開発をめざそうとする熱意にあふれる若い医師、臨床研究者、大学院生、検査技師、細胞工学士、薬剤師、看護師、血液センター、民間製薬企業、ベンチャー企業の皆さん、 21世紀のあたらしい先端医療を一緒に創造しようではありませんか。

平成14年1月に私が着任以降、京都大学輸血細胞治療部では安全で効率的な輸血治療の指導に務めるとともに、
(1)検査部・病理診断科技官の協力を得て、輸血検査および輸血管理24時間体制の実施
(2)医療安全管理室と連係し、院内の輸血管理のさらなる改善
(3)血液腫瘍内科と連携して造血幹細胞移植治療および診療に参画
(4)細胞プロセシングセンターを稼働させ、京大病院における再生治療、細胞治療開発を推進
(平成14年10月から分子細胞治療センター(CCMT: Center for Cell and Molecular Therapy)として稼働開始
(5)分子細胞治療センターにおける移植細胞の一元管理
(6)iPS 研究所細胞プロセシングセンター(FiT: Facility of iPS cell Therapy)との連携
(7)医学部学生に対する講議を血液病学として一体化し、クリニカル・ケース・スタデイを中心とした講議と実習を実施
(8)各診療科における輸血関連データーの解析からあたらしい病態の解明をめざした研究(HLA抗体と各疾患予後との関連など)
(9)腫瘍特異的分子標的治療法開発をめざしたトランスレーショナルリサーチ
(10)間葉系幹細胞をもちいたあらたな細胞治療法の開発に関する基礎的臨床的研究
(11)臨床応用を目指した造血と転写因子制御に関する研究、などを実施しております。

(平成23年11月1日)

back to top